野村羊子Blog
 日々の思いや行動などを綴っていきたいと考えています。よろしくお願いします。

2009/06/10
9年6月9日 築地市場問題

6月9日(火)
☆東京自治研究センター 月例フォーラム
テーマ 大都市東京の環境を考える「土壌汚染と豊洲」
 築地の移転に絡んでの土壌汚染の話。結局、高濃度の汚染された土壌は封じ込めるしかない。掘り返しては汚染物質を拡散することになる。焼いたり洗ったりふるい分けたりして、土をきれいにするというがその過程で舞い上がる粉塵、さらに下に染みこんでいる化学物質については手の打ちようがない。そっと封じ込めるのが一番の方法だと思う。東京ガスはそもそもそういうつもりだったはずなのだから。
 では、築地市場の移転はどうするのか。老朽化して危ない建築物になっているのは事実なので、実は建てかえは一刻も争う事態なのだという。しかし、現地再整備は現実味がない。10年以上も前にやりかけて混乱し中断せざるをえなかったのだ。今、その問題を克服できる方法が見つかっているわけではない。
 しかし、豊洲だけが移転整備の場所ではない。東京都は、別案を検討しようとしないだけ。一度描いた計画に固執するという官僚として極めて陥りがちな状態になっている。まあ、密約があったりするのだろうとは思うけど。固執しているのは官僚ではなく、政治家かな。
 だから、40haという広さに固執する必要も、閉鎖式のコールドチェーンの最新鋭の市場にこだわる必要もない。市場に必要な機能は何か、何を築地たらしめているのか、それを考えれば、今の青写真は、絵に描いた餅にしか過ぎないと思えてくる。
 としたら移転先の敷地は、例えば、30haあるオリンピックのメインスタジアム予定地の晴海や、同じ面積の選手村予定地の有明北でも十分可能だ。
そこは都有地なので買収の費用はかからず、なおかつ築地の売却益を事業に使うことができる。交通も便利で、観光客を逃さず、流通も滞らずにすむのではないだろうか。30haという中でできることを考えれば、築地は十分移転できると思う。
 移転に反対だった市場関係者も、高濃度の土壌汚染のない晴海なら了解しやすいのではないだろうか。移転に伴う権利関係や移転保障の問題はいろいろある。しかし、現状の老朽化は目に見えている。設備の見直しをすることで建設費を安く抑えられれば、利用料も低め設定でき、多くの関係者が移転可能になるのではないか。
 この第3の道こそ、築地市場移転問題を早期に解決する道なのではないだろうか。誰か、豊洲でも築地でもない第3の計画案をきちんと提起してくれないかと思う。

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