野村羊子Blog
 日々の思いや行動などを綴っていきたいと考えています。よろしくお願いします。

2007/07/16
全国フェミニスト議員連盟夏合宿・ケアタウンたかのす視察

07年7月7日(土)-8日(日)
全国フェミニスト議員連盟夏合宿in秋田に参加した。

前にも説明したが、フェミ議連は「女性議員を増やし、女性の声が政治に反映する社会をつくること」を目的としている。「三鷹市議会、女性議員はたったの3人」と疑問を呈してきた私と思いの一致するネットワーク。今回は北欧型福祉・住民参画型福祉を築いた鷹巣町(現北秋田市)での開催、ケアタウンたかのすの視察もあるということで、他の予定を振り切って参加した。

初日の基調講演とパネルディスカッションは、「福祉と住環境」、女性と福祉・介護にまつわること。ケアタウンたかのすの運営を担ってきた地元ならではの設定だった。
性同一性障害特例法の制定にしても、DV法制定や改正にしても、女性議員が超党派で動くことで成果が得られてきた経緯がある。パネリストの秋田県議の発言には、首をかしげたくなるような点もなきにしもあらずだったが、女性県議一人の時に秋田県女性議員の会をつくり、基礎自治体の女性議員たちとネットワークしてきた経緯は、まさに女性ならではの働きとして敬意を表すべきだと思う。

夜の交流会では、全国から集まってきた女性議員と交流できた。「女性議員」という特殊な立場を前提として語り合える、そういう仲間が全国にいるという事実は心強い。しかも、こちらを新人議員として気配りしてくださっても、先輩・後輩などの序列がない関係が維持できるのは、当然といえば当然だが、すごいといえばすごいことだろう。
おまけとして、交流会後、有志で前鷹巣町長を訪問。非常に有益で濃い時間だった。

2日目の午前中は、総選挙をふりかえって、グループごとのディスカッション。アンチキャンペーンを張られ、無視したが、45票足りなくて落選した話。1期目に何度も懲罰委員会にかけられるという事態になり、逆に議事録に相手の差別性を記録させた話。等々しっかり闘い抜いてきた先輩たちの話に、私は幸運だと思う。そのようなことに無駄なエネルギーをとられずにすむ分、きちっと動いていかなければという思いを新たにした。

午後は、福祉公社ケアタウンたかのすの視察。松橋雅子理事長が案内。ユニット型の平屋の建物は明るく気持ちがいい。しかし、今自立経営をしており、町直営の時の1対2の職員配置を1対0.8に切り下げざるを得ず、たった0.2だけれど影響は大きいと語っていた。それでも国基準よりは遙かに多いのだと。かつて福祉施設に勤務していたとき、15人の子どもたちに対してそれまで3人いた時間帯が2人配置となり、個別対応をあきらめ今日は安全確認しかできない、ともう一人の職員と言い交わしたことを思い出した。些細な数値が現場では大きく響くのだ。
ちょうど七夕飾りが廊下に作られていた。そこには「ボーナスがほしい」との短冊。職員が歯を食いしばってがんばっている。ここにも職員の熱意によってのみ維持されている福祉現場がある。
隣接されている補助具センター。様々な種類のベッドや車いす、実際に高さや広さを変えて確認できる流しやトイレ。様々に工夫されていること、実物を抱え、その日にでも配達が可能な状態、返品されたものは消毒を始めメンテナンスして再利用しているなど、本当に工夫されている様子はすごい。一方で、介護保険の改正で、大量のベッドが返品されて倉庫に山積みになっている状況は、利用者・事業者双方の痛みを感じてしまった。
介護の社会化といわれた介護保険制度の開始。その後の費用抑制のための改訂。さらに、高福祉による安心な暮らしを進めてきた前町長の落選、市町村合併。ケアタウンの指定管理移行など、地元の様々な状況変化の中を何とか生き抜いていこうとしている姿を見たように思う。

その後、予定を変更して第3セクター運営の秋田内陸鉄道、途中に温泉付きの駅があるなど渓谷を走る鉄道を利用し、角館まで出た。同行した元角館町議の方に角館(現仙北市)の武家屋敷を駆け足で案内していただいた。盛りだくさんの一日で、いろいろな出会いに感謝する2日間だった。

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