野村羊子Blog
 日々の思いや行動などを綴っていきたいと考えています。よろしくお願いします。

2008/02/06
外環道路についての意見交換会

08年2月2日(土)
外環問題・市民連絡会が、市民と国・都との意見交換会を開催しました。三鷹市は司会という立場で同席。60人ほどの市民が出席していました。

◆12項目についての事前質問への回答が、国・都の担当者からありました。
しかし、内容は既に公表された文章から一歩も出ない回答ばかりでした。たとえば・・・
・・整備は、環八渋滞解消のため。
・・経済効果は費用便益分析によって計算。
・・事業費は計画変更などで追加費用もありえるが、コスト縮減などにより対応したい。
・・温暖化対策、CO2削減に効果。でも、工事過程のCO2排出量は換算していない。
・・シールド工法・地下水保全工法は、現状では止水性が高い。でも技術研究も継続中。
・・PIで必要不可欠と結論etc

◆詳細な調査は、実施段階に入ってから設計のためにでは、遅すぎます!
事業着手するかどうかの判断のために、さらなる詳細な調査が必要、というのが市民の実感です。しかし、今後の詳細な調査の予定は、設計する時に行うもので事業実施が前提だといいます。事業実施の立場から踏み出す回答ができない行政の立場がよくわかりました。

◆「市民の意見は、地域PIで聞く」だけでは不十分です。
市民連絡会との意見交換会の継続開催を求めた質問への回答は、「地域PIで」。
北野オープンハウスもPIと位置づけられています。ジャンクションごとのPIは、世田谷区でようやく始まったばかり。三鷹市ではまだ調整中です。
ぜん息と道路の因果関係は認めない。大気汚染、土壌汚染、地下水汚染、地盤沈下等々周辺への影響はほとんどないと、繰り返すだけでは納得できません。根拠を示して本当に影響がないと証明できるのでしょうか。
形式的に手続きを踏むのではなく、住民が納得しうるきちんとした説明をする責任があるのではないでしょうか。

◆一方で、道路特定財源がなくなったら、整備は相当難しくなる、という発言もありました。財政改革まっただ中のこの時期に1.6兆もの巨額な税金をかける必要性があるのかを、見直す責任者はだれでしょうか。
何十年も前に線を引かれた都市計画道路の見直しや廃止をするようになったのは、03年以降だったと思います。外環以外にも、三鷹市内のあちこちで、勝手に引かれた都市計画道路路線への対応に苦慮する人々がいます。国や都のマクロな視点より、生活に密着した基礎自治体の「まちづくり」という観点からの議論を優先させる方向転換が必要なのでは?と強く思いました。

結局、この日出席した担当者は、公表されたことしか言えないのです。そういう立場で、矢面に立たされるだろうとわかっていながら出てきたのは、そうしないと三鷹での地域PIの調整が進まないという判断からでしょうか。大変なお役目だなあと個人的には感じます。しかし、これで手順を踏んだ、地元市民団体の声も聞いたとされるのは、出席者全員納得がいかないのではないでしょうか。
道路は、経済問題でも環境問題でもない。政治の問題なんだと改めて感じた会でした。

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