野村羊子Blog
 日々の思いや行動などを綴っていきたいと考えています。よろしくお願いします。

2007/05/25
バイオガス発電施設見学

5月21日(月)三多摩議員ネットワークの森てるおさん(西東京市議)の呼びかけで、城南島食品リサイクル施設 バイオエナジー(株)を見学しました。
場所は大田区の野鳥公園のそば。京浜急行平和島の先の埋め立て地の一角、東京都スーパーエコタウンという、分別ゴミの処理施設、下水道処理施設、PCB処理施設など、様々な環境関連の施設が集められている場所です。
その中にあるこのバイオガス発電施設は、環境省の補助金を受けて昨年4月に本格稼働しました。食品廃棄物のリサイクル、つまり、生ゴミを発酵させてメタンガスを発生、そのガスで発電する施設です。現在65tの生ゴミを受け入れ、日に840kw前後を発電、そのうちの6割を東京電力に買電しているといいます。ちなみに残りの4割で施設稼働のための電力と熱をすべてまかなっています。生ゴミの最大受け入れ量は110tまで可能だといいます。家庭ゴミにすると50万人分といいますから結構な量になります。
食品リサイクル法の施行により、2006年度から食品関連業者は食品廃棄物の再利用等の実施率を20%以上にすることが義務づけられました。それを受けての事業化のようです。現在は食品製造加工業・流通業・調理販売業などの事業所からの一般ゴミと産業廃棄物、それぞれの食品廃棄物を受け入れています。この一般ゴミと産業廃棄物とを同時に受け入れられるというのもひとつの特徴のようでした。
この施設の特徴は、生ゴミがプラスチックの袋や容器に入ったままでもOK、割り箸などが入っていても重量の1割以下であれば処理できる、水分が多くても大丈夫という点。そして、38度程度の中温発酵なのでゴミ質の変化に対応しやすい。常に発酵槽を動かしているから24時間受け入れが可能だという点だそうです。
今まで生ゴミは、焼却処分が大半です。一部はたい肥化されていますが、なかなか事業化まではできていない状況です。焼却には水分の多さが問題となります。また、焼却を目的とした今のゴミ処理場では発生する熱を放出してしまい、エネルギー的には無駄が多い状態です。
今多くの自治体はリサイクルに取り組み、様々な分別が行われています。焼却量が減少している家庭ゴミの中で生ゴミをどう処理するかは、自治体にとっても常に頭の痛い問題です。それが、この施設では、100%還元可能だといいます。発酵後に残った4%の汚泥は乾燥させて、6%の発酵不適切物(プラスチックや木くずなど)と合わせてガス化溶融発電センターで発電燃料にしているので、100%リサイクルだと胸を張っていました。
その評価はさておき、生ゴミ処理が別立てで簡単にできるようであれば、焼却場も小さくてすみます。CO2の発生抑制にもつながります。焼却灰などの残滓もさらに小さくなれば埋め立て地も存続可能になるという点で、今後注目すべき技術だと思いました。
メタン菌の発酵については、高温発酵や2段階式発酵などの方法があるようで、研究の余地があるようです。しかし、新ゴミ処理施設の建築設計に取りかかろうといている三鷹市にとっては、今からでも遅くはないから検討材料に入れてほしいと思いました。
私自身も今後も関心を持ち続け、研究を続けていきたいと思っています。何か情報等がありましたら、ご連絡ください。

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